鹿児島ー東京往復単独ドライブ道中記(4)
- 2013/06/16(Sun) -
<シルバーのロングドライブ始末記>

[四日目 塩原でお墓参り]

今回のドライブの目的の一つは両親のお墓参りだ。

甘露山妙雲寺。臨済宗妙心寺派の禅寺。
栃木県北部、塩原。10キロも北に行くと
峠を越して福島県である。

このあたりは戊辰戦争の古戦場で、
いま旬の「八重の桜」の時代だ。


妙雲寺全景

錦の御旗を押し立てた官軍を、
会津藩のサムライたちが必死に抵抗した「跡」がいまでも残る。

塩原は西会津街道にあたり、
江戸から北上する官軍と、それを迎え撃たんとする会津軍とが
各所で戦った。


この寺を防衛拠点の一つとした会津軍は、
官軍の猛烈な攻撃に耐えきれず、寺を放棄して退却することになる。

その際、本堂の天井に描かれた「菊の紋章」を一つづつ消していったが、
掲額の裏までは消すことができず、ご覧のように残ってしまった。


天井紋章額裏

いかに緊迫していたかが伺い知れる。

妙雲寺は妙哲和尚によって700年前に開山された
このあたりでは名の知れた古刹である。

私がこどもの頃は茅葺きだったが、昭和33年銅板葺きになった。


ところで、いきなり話題を現代に移して恐縮だが、
この寺には自然の地形を利用した野趣に富んだ庭園がある。


常楽の滝

そのひとつがこの「常楽の滝」だ。
後背の山肌に降り注いだ雨が地下水脈を経て見事な形になり、
妙雲寺の景観を演出している。


ところが最近、水量が日増しに大きくなり、
滝の美形を崩すようになったという。

寺ではやむを得ず上流にバイパスを造り
水量を調整しているらしい。


原因は何か!!
突然だが、ここで東京電力が出てくる。

東電は夜間の余剰電力を利用して揚水型のダムを造った。
電力ピーク時にその水で発電しようというものだ。
そのダムが塩原の裏、北側の山地に造られた。
八汐ダム、蛇尾川ダムといい、20年くらい前のことである。


ダム1

そのあと塩原近辺で次ぎつぎに売り物の自然景観を壊す事象が
起きてきたと地元の人たちは声を揃えている。

 曰く、沢の水量が多くなり滝の形が変わった。
 曰く、天狗岩(名勝のひとつ)の一部が崩れてきた。
 曰く、崖崩れが多くなってきた。


ダムを造ればその膨大な水圧が自然の地形に
影響を与えるのではないかと考えたくなる。
地下の水脈は人知を離れた「理」で決まる。

私見だが、治水治山という言葉は、
畏れを知らない表現だと思う。
ニンゲンが自然を操ろうなどと言うこと自体、
傲慢ではないだろうか。


常楽の滝が揚水ダムの故だと結論を急いだわけではない。
しかし、700年もの古刹の景観に変化が出たことは事実のようだ。


次回に続く

(編集 十川 公延)
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